男なら♪
「お前が殴れ」

 と、ブカデンが言うと、チョロは佐奈田に軽く蹴りを入れた。 

 佐奈田はチョロの蹴りが弱く、痛くもなかったので、安心した。

「うわぁ……」

 と、佐奈田は大げさに痛そうな声を出した。

「あれ、手を抜いたのになあ」

 と、チョロは小さな声で言った。

「ナニ?」

 ブカデンには聞こえたらしく、チョロをにらんだ。

「僕には無理です」

「そうか」

 佐奈田はブカデンとチョロが話している間に逃げ出した。

「こら! 待て!」

 と、ブカデン言って、追いかけようとしたが、バナナの皮で足を滑らした。
< 6 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop