My sweet steward
なんでか涙が溢れ出してくる。



「あれ…なんで涙出て…」




もう恋なんかしないなんて


普通の高校生だったら思わないよね。


涙が頬を流れては溢れ出してくる。


涙が止まらない。




【コンコン】


誰だろ…?お母さんかな。


「お嬢様、お部屋に入らせて頂いても宜しいでしょうか」


えっと…確か執事の"黒奇"さん。


涙ふかなきゃ。



「はい。どおぞ」


「お嬢様のお部屋のベッドのシーツを取り替えさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」


「あ、はい」



私に言ってくれたら



シーツの取り替えくらい自分で出来るのに。



はぁ…。



執事が私のベッドのシーツを手際良く丁寧に取り替えている。



執事の人…黒奇さん…20歳くらいかな?


よく見ると

まつげ長くて綺麗な顔立ちしててカッコイイけど





なんか…もうカッコイイ人とか見ても


過去のせいで何にもドキドキなんかしない。



なんでこんな女のコになっちゃったんだろ…。



今日は早くお風呂入って早く寝よ…。



「あと、ご主人様からの伝言なんですが」



「伝言?お母さんから?」


「もう高校生だから今付き合ってる人くらい家に連れてきたって構わないからと」




…私がこの家のせいでどんな思いしてきたなんて知らないくせに。




この家のせいで私がボロボロになったことさえ知らないくせに…っ。



うわ…また涙が…なんで…。


黒奇さんだっているのに。


なんで涙が止まらないんだろ…。



「何かご用がおありなら私をお呼び下さい。」


そう言うと頭を深く下げて黒奇さんは部屋を出て行った。




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