青い春。

中は、やっぱり寂れていて、人のいる気配はしなかった。


「あのー誰かいませんか??」


・・・・。


―――あれ、やっぱ、誰もいないのかな?
ま、いいや。


そこで俺は一番最初に目についたステージへと向かう。


そのステージに上ってみた。


―――アーティストたちは、こんな景色見ながら唄ってんだなぁ…
会場は小さいはずなのに、広く感じる。コレが、お客さんで埋まるのか…。


そして俺は目を閉じて唄いだす。

「踊りながら 羽ばたくステージで 這いつくばっていても
 踊らされてるのも 随分前から分かっていて それでも それでも
 また踊りながら 必死で生きているんだ 理想の負未来なんて
 用意されていない でもその中で願っているのさ
 あぁ光を 光を…」

パチパチパチ―――…。

どこからか拍手が聞こええた。


「その曲、buck numberの青い春だね?」
「…そうだけど。」

拍手をした人は俺のいるステージに向かって歩きだした。

「他には何か唄えるの?」

「…は?」

コレは、予想外。

「何唄える?」

「何でも良いっすか?」

「あぁ、ただ、君の歌が聴きたいだけだからね。」

「じゃあ…


Save me,if you were there
Iguess I don't have to sing this kind of song
but Save me, let's sing together
and we'll be as one for now and forever

ふと朝起きて 「もう終わりだね…」なんていわれたら悲しいから
僕たちだけの青き春を いつまでも一緒に生きていこうよ

電車の中から見える セメント色した世界も
僕等が照らすよ あふれ出す思いで
「まだまだ青いなぁ」って 白髪のあなたに言われたって
あなたが灰にしか見えないって 笑ってやるよ

けど苦しくて 涙して 叫びたくなる時もあるよ 強い人間になりたくて
だけど悔しくて 歯を食いしばって みんなで噛み締めあえば
アイツ等なんかに見えはしない 強い意志で繋がるから…

こんなんで良いッすか?」


「すばらしい!」
そういいながらまた拍手をする人。


「ありがとうございます。俺、愛川 刹那って言います。ええっと、あなたは?」

「あぁ、まだ自己紹介してなかったね。失礼。僕は淀川 水鳥。ここのオーナーやってるんだ。突然だけどさ、君、バンド作らない??」

「…は?」

「いやぁ~ちょうどさ、ボーカル探してる子たちがいてサー。おいでー。」

そして淀川さんは入り口のほうに手招きをした。
手招きにつられては入ってきたのは、男子4人。

しかも、俺と同じ制服…。

「この子たちね、実は君と同じガッコなんだ。楽器は全員いるンだけど誰も歌下手で…。」

「頼む!!お前、3組の愛川 刹那だろッ!?歌がうまいって噂の…」

そんな噂アンの!?

「僕たち、定期的にこのライブハウスに通ってるんだ。そうだ、学校に軽音部があるのは知ってるかな?僕等はその軽音部の部員なんだ。」

「後、ボーカルだけ。」

「そこが問題なんだよッ!!で、さっきここ通りかかったら、刹那がここに入ってくのを見たから来てみたら、こんなことになってるからびっくりだよ。」

4人から一斉に話しかけられているので、頭が混乱しそうだ。

でも、俺にもバンドが組める。
しかも、一番やりたかったボーカルで…

これ以上良い話しなんか無い!!


「俺、バンドなんか組んだことないし、歌だってRADとかBUMPのコピーくらいしか出来ないけど…でも、俺もバンド組んで、あんたたちの鳴らす音に乗せて唄いたい!!」


そういうと、4人は笑顔になった。

「「「「おう!!これからもよろしく!!」」」」




< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop