男子校生の非日常
1
そして、玄関を一歩出てニンマリする俺。
いつも俺を見るたび、なんだかんだ言うオカンも姉ちゃんも、今朝は何も言わなかった。
いや…今朝と言うより洗面所から出た直後からか。
まぁ、言わなかったとゆうよりも言えなかったと言う方が正しいに違いない。
俺の本気モードを見せつけてやったぜ。
俺だって、朝の少しの時間と、手を加えれば、イケメンに変身出来るんだ!!
って、まぁ、元が良くなけりゃいけないが、そこは素直にオトンとオカンに感謝。
二人の態度を見て、少しばかり残っていた不安を自信に変えて、胸を張り、空を仰げばそこには雲一つない青空。
ではなく、そこはやはり真冬…と、ゆうことで、低く広がる雲、クモ、くもーーー。
俺は白い息を吐きながら、いつもは感じない視線を浴びて歩き慣れた通学路を行く。
時折、俺を指差しながら友達同士でヒソヒソと囁き合うような仕草をする人。
露骨に凝視している人たちが視界に入る。
注目を集めていることは明白。
この世間の反応は、俺の自信に確信を加えた。
そして、到着した学校。
ここでも、みな、通学路と同じような反応を見せた。
まさか、少しの変身が、ここまで注目を浴びるなんて思わなかったな。
よっぽど、俺…イケてんだな。
今ならアイドルの気持ちがわかるよ。
3日後のバレンタインデー。
学校一のイケメンと呼ばれるヤツより多くチョコレートを貰えること、間違いなし!!