小さなくまさんの世界
異世界
あれ、道に迷った?
ついさっきまで勇希とデートをしていたよね?
背後で物音がした。思わず振り返ったが、そこには誰もいない。
「私、いつの間に森に来たの?」
ほんの数分前までは遊園地にいたはずなのに、森林に囲まれて一人ポツンと立ちすくんでいた。
とりあえず歩けば誰かに会えるだろうと考え、歩き出そうとしたとしたとき、再び音がした。それはさっきより強い音だった。
自分自身を抱きしめて震える声を絞り出した。
「誰かいるの?」
何かが近づいている。少しずつ後ろへと下がっていくと、何かが飛んできた。
「やだ!」
ギュッと目を閉じて思わず振り払った。
「痛いよー」
今にも泣きそうな声にそっと目を開けた。
「ん?」
そこにいたのは小さなくまのぬいぐるみだった。
「可愛い」
バスケットボールくらいの大きさで茶色で目がくりくりとしていて、ふわふわとして抱きしめたい衝動に駆られた。
「ふえっ」
「あ、ごめんね。大丈夫?」
そっと頭を撫でると、くまはニコッと笑っているように見えた。
嬉しそう・・・・・・。
さらに撫でてもらおうとしているのか、擦り寄ってきた。そのしぐさに撫でていた手を停止した。
「もうおしまいなの?」
「も、もっと?」
「もっと!」
なでることに集中した。くまは気持ちよさそうにしている。
あれ?こんなことをしている場合じゃないよね。
「あのさ!」
くまは一瞬ビクッと震えた。
「な、なーに?」
どうしよう、何を言えばいいの?
「君は誰?」
「くまさんだよ。クーちゃんって呼んで」
「クーちゃん、私は美海だよ」
ついさっきまで勇希とデートをしていたよね?
背後で物音がした。思わず振り返ったが、そこには誰もいない。
「私、いつの間に森に来たの?」
ほんの数分前までは遊園地にいたはずなのに、森林に囲まれて一人ポツンと立ちすくんでいた。
とりあえず歩けば誰かに会えるだろうと考え、歩き出そうとしたとしたとき、再び音がした。それはさっきより強い音だった。
自分自身を抱きしめて震える声を絞り出した。
「誰かいるの?」
何かが近づいている。少しずつ後ろへと下がっていくと、何かが飛んできた。
「やだ!」
ギュッと目を閉じて思わず振り払った。
「痛いよー」
今にも泣きそうな声にそっと目を開けた。
「ん?」
そこにいたのは小さなくまのぬいぐるみだった。
「可愛い」
バスケットボールくらいの大きさで茶色で目がくりくりとしていて、ふわふわとして抱きしめたい衝動に駆られた。
「ふえっ」
「あ、ごめんね。大丈夫?」
そっと頭を撫でると、くまはニコッと笑っているように見えた。
嬉しそう・・・・・・。
さらに撫でてもらおうとしているのか、擦り寄ってきた。そのしぐさに撫でていた手を停止した。
「もうおしまいなの?」
「も、もっと?」
「もっと!」
なでることに集中した。くまは気持ちよさそうにしている。
あれ?こんなことをしている場合じゃないよね。
「あのさ!」
くまは一瞬ビクッと震えた。
「な、なーに?」
どうしよう、何を言えばいいの?
「君は誰?」
「くまさんだよ。クーちゃんって呼んで」
「クーちゃん、私は美海だよ」
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