隣のアイツ
「にしても、相変わらず美晴のくじ運は強いわねー」
佳歩が髪の毛をクルクルと指に巻いて言う。
相変わらず大人っぽい...
男子のほとんどが見てますよ、佳歩さーん。
そんなことにも気付かない佳歩。
いや、気付いているのか?
「うん。くじ運の強さだけは負けないよ!」
「いや、別にいいわよ」
でも、このくじ運の強さで私は3回連続で直の隣になれている。
いや、直に出逢ったこと自体、くじ運の強さかもしれない。
幼馴染として、いつも直の一番近くにいた。
誰よりも、直を一途に想ってきた...