Sober from turn
ほどなくして見ていると教室から一人の生徒が出てきた。

カッターシャツの袖をまくり、ズボンは腰まで下げてネクタイは最大限まで延ばされている。
顔はそんなにイケてなくも無い。


「なんだ?あのスカした奴は。」

「あぁ言うのが回りでは良かったりするみたいね。」

「なんで。どこかいいんだよ、どこがよ!」


二人の回りにはやじ馬の生徒たちが集まっている。

この二人は人気がある生徒のようだ。


「佐奈。あいつ知ってるか?」

「うーん。顔も遠くて分かり難いわ。彼氏なのかな?」

「違うだろ。砂稚の方は笑顔じゃねぇな。」
「なに、あの二人…。何もなかったかのように分かれたわ。」


黒山の人だかりも話が終わると同時に散らばって行った。


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