Sober from turn
「リーマンなぁ。普通でいいじゃねぇか。」

「普通でいいって…どこが?」

サラリーマンがいいなんて悠は聞いたことがない。
むしろ、サラリーマンで良かったと聞く方が珍しいのではと。

「変な会に家族そろって来いとか言われなさそうなとことか。」

「そりゃ…ないけどさ。そんなのあったの?変な会とやらに呼ばれたことがさ。」

単なる笑い話…になるかと思ったのに。

「うんまぁ…な。」

「あったのかよ。何奴だ保高くんは…」

小声で喋ったにもかかわらず、孝介の耳はよかったようで今度は自慢げに威張って孝介は話した。

「話しただろ。親父が家元の息子だって。俺は一応、その後継者だから。」

さっぱり分からない言葉にクエスチョンマークが体中を踊った。

「ふぇ…?後継者?」
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