Sober from turn
「さぁなってなによ!」
「俺もわからねぇもん。親父は継ぐ気は無いってるし、俺に話が来そうだし…あぁ!姉貴が婿取りすりゃ万々歳なのにな!」
孝介は苛立って自分の頭をかきむしった。
おかげで孝介の頭はボサボサになり、今まで保っていた髪型は姿を消してしまった。
「やけになってない?」
その時、係が注文の催促をしだした。
「あ…俺オムハンね。やけ?んなもんないね。関係ない話だし。」
話は逸らさずに孝介は決めておいたメニューを注文した。
「あ…えぇと。炒飯とサラダで、ドレッシングはゴマでお願いします。」
それは悠も同じように注文をしたが孝介がなにか思い出した様子で悠にふりむいた。
「てか…お前の話だったんだ。悩みごとか?」
「あ…そうですねぇ。なんでもないですよ?」
言えるわけも無い。
自分の母親が急にオシャレをし出したなんていう話。
孝介の家庭事情からして、ちっぽけな悩みだからだ。
「そうか?なら…」
その言葉にやり過ごせた安心感で悠はホッとした。