Sober from turn
「保高くんまってよ…!」

本館の廊下を早足で歩いて行く孝介になんとか悠は追いかけて行く。

「あの男子はだれなの?紹介してくれないとわかんないよ!ねぇってば!」

やっと、孝介の腕に手を伸ばし捕まえる事ができた。
孝介の方は悠にふりむきもしないで微かに苛立ちをみせた。

「…あいつは真茅 旭。俺のダチみたいなやつだ。」

「(みたいなって)親しくはないの?だって、旭くん?は結構しゃべって…」

「親しくしてるのはあいつ!てか、なんで“旭くん”なんだよ。俺は保高くん呼ばわりのくせに…なんかおかしくねぇ?」

悠の話を遮り、孝介はさらに苛立ちをみせた。

「え、真茅くんって言いにくいかと思って…」

悠は孝介の迫力に少し驚いて後退りをしてしまった。

だが、孝介が距離をどんどん縮めていき壁に悠の背中が当たってしまった。

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