Sober from turn
「どうした?聞こえてなかったかな?おーい」
そんな声さえも届かないくらい悠は頭をフル回転させて考えた。
(あたしってば、ピンチ?)
「お名前とかきけないかな?おーい?」
(うるさい声もしなくはないけど、取りあえず孝介くんに遭わないと…)
悠は旭をシカトしようと横切る寸前で旭はまた言葉を発した。
「あんれー?キミどっかで…もしかして、欄中出身者だったり?」
その言葉に悠の思考は一気にある思い出を蘇らせた。
「えと…、欄中の出身者なんですか?」
怖々としかし、顔を笑わせて悠は質問した。
「そうなるかな?」
旭は一瞬、口許が緩み
(彼女にはやはり、アノ過去が或るようだ)
悠の頭を読んだ。