Sober from turn
当たり前の日常。

過ぎていく時間。


なにもかも、今までと変わりないと思っていた。

朝食のカリカリに焼けてるベーコンと目玉焼き。

ソファで新聞紙を広げて読んでいる父。


ご飯とお味噌汁を一緒にして食べてる弟。


気付けば、登校時間すれすれで遅刻しそうになる私。


変わったのは、あの瞬間からだった。


授業中にいつもチラチラみてて気持ちを押さえていた。

あなたのこと、


「なんでしょう?」


廊下で知らない生徒に呼び止められた。

名も分からなくてあの人とは雰囲気が違って、物静かな様子が漂っていた。


「聞きたい事がある。いいか?」

「はい、なんですか?」

丁寧な言い方で人探しに尋ねただけだったが、最後の言葉に絶句した。


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