Sober from turn
「あぁ!?地味だ?」

「まぁまぁ…抑えて抑えて。」


今店内に響かんばかりの怒声をあげて周りも目の前の店員をも困らせているのは盟だ。

一見、お淑やかで習い事にバイオリンをやっていそうな細身で美人の彼女。

悠もここ最近分かってきた本性ではある。

「ちょっと宜しいですか?こっちはお客としてこの店を使ってるんですよ?それを…地味って!失礼じゃありませんか!?」

相手が年上な事もあり敬語で怒りを露わにしている盟。

「申し訳ありません!…ほら、君も謝る!」

おそらく、店長だろうか店員の頭を押さえて盟と悠に深く謝って見せた。

「いや、そんな事されても困ります。頭をあげて下さい。こっちがパンダを選んでるんですし。」

「いえ、こんなお言葉を話してしまったこちら側の責任です。」

未だに苛立ちをみせる盟を横にして申し訳なさそうな店長に悠は困るばかりだ。

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