鏡の国のソナタ
いくら九嵐先輩に助けを求めても、彼がスーパーマンのように現れて素奈多を助けてくれるなんてことがあるはずがなかった。

目の前にいるのは、変な卵から生まれてしまったできそこないの先輩のニセモノで……。

そんなものを創ったのがバレたら死刑になってしまうかもしれないのだ。


こんなヤツをかくまって、このまま一生、誰にもなにも言えずに暮らしていくんだろうか?


一生……?


あまりにつかみどころがなくて、素奈多はますます泣けてきた。

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