鏡の国のソナタ
「だって、言ったら覗かれそうだったんだもん」

素奈多もバスタブから首だけだしたまま、うだうだ言い続ける。

クランを見た。

悔しいけど、メチャメチャかっこよかった。

濡れた髪からしずくを滴らせた男の、肩や胸の程良く張った筋肉を見て、素奈多は頬を染めた。

ご丁寧に、素っ裸で添い寝していたことまで思い出してしまった。


あの胸にだきついて、顔をうずめて、キスまでしてしまったのだ。

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