鏡の国のソナタ
■ 3 マドリガーレを唄う風船
学校からの帰り道、素奈多は花南と連れだって駅前のショッピングモールを歩いていた。
メンズブランドの店の前で立ち止まった素奈多の耳元に、花南が囁いた。
「ちょっと、素奈多。なけなしの仕送りはたいて勝負賭ける気?」
「えっ?」
素奈多は自分が見上げていたショーウインドウのマネキンが着ている服の値段を考えて、あわてて首を横に振った。
メンズブランドの店の前で立ち止まった素奈多の耳元に、花南が囁いた。
「ちょっと、素奈多。なけなしの仕送りはたいて勝負賭ける気?」
「えっ?」
素奈多は自分が見上げていたショーウインドウのマネキンが着ている服の値段を考えて、あわてて首を横に振った。