鏡の国のソナタ
「あれ? 花南は、マジで怒んねぇの?」

「だって、あたしは九嵐先輩のファンってわけじゃないもの。幻想抱かないで、君のこと普通の男の人だって受け止められるわけよ」

二人は連れだって歩いて、ベンチにこしかけた。

「佐藤九嵐って、そんなにイイヤツなのか?」

ポツリと、クランが訊いた。

「さあ。事故のとき助けてもらったからって、素奈多が神聖化してるだけかもね。案外、普通なんじゃないかな?」

< 136 / 267 >

この作品をシェア

pagetop