鏡の国のソナタ
素奈多は、くっきり二重の瞳にメラメラと闘志の炎を燃やして拳を握りしめた。


「ううん! 男は美貌。女は根性よ!」


幼稚園からこの学校にいる花南は、育ちの良い笑顔でポソッと言った。

「知性じゃなくて根性って断言するあたりが、好きよ、素奈多」

お弁当の蓋を閉じながら、花南は素奈多が大事そうに握りしめている卵をじっと見つめた。



「で、その卵、なぁに?」


< 18 / 267 >

この作品をシェア

pagetop