鏡の国のソナタ
素奈多は、真剣な顔で花南を見た。

「ううん。なんか、すごく気になるの」

素奈多は、週番の先生の制止を振り切って、家路を急いだ。


――クラン……。


心の中で、彼の名を呼んだ。

先輩と同じ。

だけど違う男の名を。

何事もなければそれでいい。

ただ、彼の顔を見て安心したいだけだった。

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