鏡の国のソナタ
クランは、リヴィングのソファに倒れ込んだ。全身が鉛のように重くて、体を動かすのがおっくうだった。

「マジ、やべーって……。体、動かね……。こんなに早いのかよ……」

クランは、荒く息をついてクッションを抱き込んだ。

このまま、ニセキジのようにここで動けなくなるのだろうかと思った。


そうしたら、素奈多はどうするだろう?


猫ならばともかく、いくらなんでも、人間の死体が転がっていては、彼女も困るだろう。

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