鏡の国のソナタ
ニセキジも、自分の死に場所を求めてさまよった挙げ句、洗面所の片隅でこときれたのだろうか……。



死に場所……。



クランが、そんなことを考えながらうとうととソファでまどろんでいると、玄関のドアが開く気配がした。

「ただいま……」

素奈多の声が聞こえる。

クランは嬉しくて、ガラにもなく頬に幸せな笑みを浮かべた。

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