鏡の国のソナタ
素奈多は、いきなり細胞の話をし始めたクランを凝視して、首をかしげた。

でも、我慢して聞けと言われたので、黙って耳を傾けた。


「そのテロメアは、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなっていく。そして、テロメアがある一定の長さより短くなってしまうと、もう、その細胞は分裂できない。分裂できなくなった細胞は衰えて死ぬんだ」



「死ぬ?」


素奈多は、震える声で訊いた。

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