鏡の国のソナタ
素奈多は、いきなり床に土下座した。

「ごめんなさいっ! あたしが、勝手にこんなことしたんです。死刑にでもなんでもなりますから、彼を助けてくださいっ!」

床に手をついてうなだれた少女の傍らに、九嵐はしゃがみ込んだ。

「まず、話をしよう。こっちへ来て、椅子に座りなさい」

素奈多をなだめるように言って、九嵐は素奈多の手を取った。

素奈多は傍らのクランを振り返る。

クランは、動くのが大義だからここでいい、というように首を振った。

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