鏡の国のソナタ
期限切れと聞いて、田中が口を挟む。

佐藤先輩。あのロットは個体発生率が高くて廃棄したんですよ」

九嵐は思い当たるフシがあるとばかりにうなずいて、クランに向き直った。

「ああ……、そうか。では、君には緊急措置としての初期教育が施されているはずだな?」



「判ってるって……」

クランは薄く笑ってうなずいた。

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