鏡の国のソナタ
素奈多は、真っ赤に泣きはらした目で九嵐を見上げる。

九嵐は、言った。

「愛してる、素奈多。

たとえ、二度と会えなくても、俺は、産まれてきたことに感謝する……」

素奈多は、茫然と宙を見つめた。

まるで、クランに言われたようだった。



「……そんなこと、同じ顔で言わないで……」

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