鏡の国のソナタ
素奈多、がばっと起きあがった。

急に起きたので、ぐらぐらと眩暈がした。

でも、そんなことにかまってはいられなかった。

素奈多は、ありったけの大声で九嵐の後ろ姿に叫んだ。



「うそつきっ!」

ベッドから身を乗り出したら、ぐるんと視界が回って、素奈多は床に転がり落ちた。

頭から落下したので、目から火花が散った。

点滴のスタンドが倒れて、凄い音が響いた。

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