鏡の国のソナタ
素奈多は、勝ち誇ったように言った。

「あたしを騙せると思った? 何十人、先輩のクローンが湧いて出たって、あんたのことくらいすぐ判るんだから……」


「素奈多……」

九嵐のフリを決め込んでいたクランは、そっと素奈多の頬を両手で挟み込んだ。


「告白するなら、ちゃんと自分で言ってよ……」

素奈多は、静かに目を閉じる。

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