鏡の国のソナタ
☆
クランは、素奈多を抱き上げ、ベッドの上に寝かせた。
倒れていた点滴のスタンドを元通り立て直す。
血液がチューブの中を逆流していたのが、次第に元に戻っていった。
クランは、声を潜めると、素奈多の耳元で囁くように言った。
「正体ばらしたって判ったらどやされるぜ……。あのな、俺、佐藤九嵐の研究に一枚噛むことになったんだ」
素奈多は、けげんな顔でクランを見上げる。
横になると、眩暈が少しおさまった。
倒れていた点滴のスタンドを元通り立て直す。
血液がチューブの中を逆流していたのが、次第に元に戻っていった。
クランは、声を潜めると、素奈多の耳元で囁くように言った。
「正体ばらしたって判ったらどやされるぜ……。あのな、俺、佐藤九嵐の研究に一枚噛むことになったんだ」
素奈多は、けげんな顔でクランを見上げる。
横になると、眩暈が少しおさまった。