鏡の国のソナタ
歩きながら、事務的に素奈多は答えた。

「結構。ドクター佐藤の研究室には知り合いも居ますので、お構いなく」

「いや、あの、その……」

素奈多は、年下の学生を振り返り、やわらかく微笑んだ。

ここでは、研究室のブロックごとに、電子ロックが施されている。

ドアの前に立って、素奈多はスロットにカードキーを差し込み、キーコードを入力した。


素奈多の目の前で、ドアがスライドして開いた。

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