鏡の国のソナタ
マンションの誰かが飼っている猫だろうか?

どこかの部屋から逃げ出した猫が、たまたま迷い込んだだけ、のことだろうか……?

素奈多は天井を仰いだ。


まさか……。


本当に、あの卵から生まれたなんてことがあるだろうか?

自分でも莫迦なことを考えていると思った。

だいいち、あの小さな鶏の卵から、ひとかかえもある成猫が簡単に生まれるわけがない。

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