鏡の国のソナタ
コピー。

右手の卵に視線を移した。


この卵は、魔法の卵だろうか?


中に入れたもののコピーがつくれる、魔法の卵……。

まさか……。

理性が否定していた。

でも、好奇心と、ある種の期待が素奈多の正常な判断能力を麻痺させていた。

「なにか、入れるんだ……。コピーしたい生き物の……」

素奈多は、茫然とつぶやいた。

視線をさまよわせる。



机の上の小瓶に、目がとまった。

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