鏡の国のソナタ
学校で、花南に卵から猫が生まれた話をした。

「えー。じゃあ、その猫、おへそないかもよ?」

もちろん、花南は、茶化すように大笑いした。

「猫のおへそって、どこにあんのよ?」

「そりゃあ、おなかでしょう」

「う……」

花南はお嬢さん育ちのくせにドライなリアリストなので、はなっから、そんな漫画みたいなことは信じない。

どちらかといえば、夢見がちな素奈多でも半信半疑なのだから無理もなかった。

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