鏡の国のソナタ
「まあ、猫はともかくね……。ちょっと、試してみたんだ……」

素奈多は、もうひとつの卵に、九嵐先輩の髪の毛を入れてみたと告白した。

「先輩の髪の毛、入れちゃった」

「あらー……」

花南は最初、驚いて目を丸くしたが、すぐに悪戯っぽく言った。

「もし、先輩が生まれたら、見に行くから教えてね」

面と向かってそう言われると、素奈多も自信がなくて、「ははは」と乾いた笑い声をあげるしかなかった。

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