鏡の国のソナタ
「うわぁ……。九嵐先輩……」

素奈多の夢の中の王子様は、コスプレをした九嵐だった。

ゆっくりと九嵐が歩み寄ってくる。

次第に、ビロードのマントが金色に輝く天使の羽根にかわってゆく。


先輩はやっぱり、天使だったんだ……。


そんなことを茫然と思ったとき、ふわりと先輩の腕が素奈多を抱いた。

「素奈多……。君だけを、愛してる……」

夢のような告白が、素奈多の鼓膜をくすぐった。

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