鏡の国のソナタ
いや、本当は夢なのだが、夢を見ている本人には夢と現実の境界線は曖昧だ。


「九嵐先輩……」


素奈多は、うっとりとつぶやくと、天使の翼を持った九嵐に抱きついた。

ぎゅっと腕に力をこめると、あたたかなぬくもりを感じた。

あたたかくて、幸せで、このままどうにかなってしまってもいいと、文字通り夢心地で思った。

< 48 / 267 >

この作品をシェア

pagetop