鏡の国のソナタ
素奈多は、天使の羽根の王子様に抱きしめられて、ほんのりと頬を染めた。

優しい先輩の笑顔が素奈多を酔わせた。

抱きしめられた腕の力強さが、委ねられる幸せを感じさせてくれた。


ああ、誰かに抱きしめられるって、気持ちいい……。


「先輩……。あたしも、先輩のこと、ずっと好……」


はにかんで囁くと、その見上げた視線の先の先輩の姿が、みるみる変わっていった。

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