鏡の国のソナタ
金色に輝いていた天使の羽根が、闇色のカラスの羽根に変わり、頭にはにょきにょきと悪魔のねじれた角がはえ、抱きしめた腕の先の爪が、鋭くとがって素奈多の柔らかな皮膚を突き刺した。


優しかった先輩の表情が、冷たい感情のない醜悪なものに変化する。




悪魔……。


悪魔だ。

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