鏡の国のソナタ
性格さえまともなら、夢のように幸せなはずなのに……。

ふうっと、大きく息をついて、素奈多は玄関のドアを開けた。

「ただいま」

いつもは言ったことのない台詞を口に出した。

クランがいることが前提の自分の態度に、素奈多は少しとまどった。

こんなとんでもないことを、受け入れつつある自分もまたとんでもないヤツだと思った。

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