after rain 〜虹を待ちつづけて〜
幼なじみ
私の名前は天野葵。


高校生になって3ヶ月。


新しい友達がたくさんできた。


楽しい高校生活。
だけど、私にはある悩みがあった。


私には保育園の頃からの男の子の幼なじみがいる。
彼の名前は沢木侑。


私の悩みというのは、


――最近侑が私から離れていっている――


と、いう事。


私が思うには、男女の幼なじみって2パターンあると思うんだ。


1つは、成長しても変わらず仲のいい幼なじみ。


そしてもう1つは、成長と共にどんどん離れていく幼なじみ。



私は後者だ。



侑が私から離れていき始めたのは中2の頃くらいだった。
よく忘れ物をする侑は、いつも私に教科書なんかを借りに来ていた。
だけど、突然それがぱったりなくなった。
最初は忘れ物をしなくなったのかと思った。


でも、違った。


侑の忘れ物をよくしてしまうところは変わっていなかった。
3年生の時、同じクラスになって気がついた。


侑は友達に借りていたのだ。


それだけだったら、まだよかったのに…。


明らかに侑と私には距離ができていた。


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