after rain 〜虹を待ちつづけて〜
「手伝うよ。」


「あ、助かるわ。」


ボールを1つ取る。


「さっき、香坂と話してたね。」


「うん。」


手を止めずに話をする。


「香坂ってさぁ、葵みたいに誰とも付き合わないんだよね。」


「そうみたいだね。」


「…でも、私あいつと同じ中学だったから知ってるけど……。」


「ん?」


璃音の声が小さくなる。


「中学の頃は今よりは女子と付き合ったりしてたよ。」


「…へぇ~。」


「ま、そう言っても女遊びが激しいとかそんなんじゃないけどさ~。」


「へぇ~。」


「高校に入って好きなやつでもできたのかな?」


「さあね。ただ単に部活と勉強で忙しいとかじゃないの?」


「…かな?」


3つくらいボールを磨いて、そろそろ洗濯が終わる頃かと思って洗濯機のところへ行って洗濯物を干した。

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