after rain 〜虹を待ちつづけて〜
部活が終わったのは6時過ぎだった。


「「お疲れさまでした~。」」


先輩たちに挨拶を済ませて璃音と体育館を出た。


「みんないい人たちだから馴染みやすかったね~。」


「うん、だね。」


校門を出ようとした時、後ろから声がした。


「お~いっ。」


聞き慣れた声だからすぐにわかった。


「侑…。」


声の主は侑だった。


振り返ると侑と香坂くんがこっちへ来ていた。


「どうしたの?」


「2人とも帰る方向同じだろ?だから一緒に帰ろうと思ってさ。」


「うん、そうだね。か弱い女の子を守ってね!」


「お前がか弱い女の子~?ありえね~…。」


「何よそれ!」


最近少しずつ昔のように話せるようになってきた。


「…ったく~……。失礼なやつ…ね、璃音。」


「そ、そ、そうだね~……。」


…緊張し過ぎ…。


声めっちゃ裏返ってるから……。
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