after rain 〜虹を待ちつづけて〜
最初に家に着いたには璃音。


「じゃ、みんなバイバイ。また明日。」


「バイバイ。」


「じゃあな。」


「またな。」


璃音が家に入って行った。


…最後まで璃音の顔は幸せそうだった。


また歩き出す。


「もうすぐ夏休みだなぁ~。」


侑がそんなことを言い出した。


「そうだな。」


「あ~…夏休みも部活漬けなんだろうな……。」


「…私たちがいるからいいでしょ。」


そう言ってやると侑は嬉しそうに笑った。


部活のある日は璃音に必ず会えるようになったんだもんね。


そりゃ、好きな人に会えるってのは嬉しいことだと思うけど…。


やっぱ、私はイヤだな…。


侑と璃音の接点が増えるなんて…。


私がだんだん暗い表情になっていくと、香坂くんが口を開いた。


「天野たちさ、なんで夏休み前なんかにマネージャーになったの?夏休み明けの方が良かったんじゃねーの?」


「…まあ、ね。せっかくの夏休みなのにね。」


ま、夏休みに入ったら侑に会えなくなるから璃音も切羽詰ってたんだろうけど…。
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