after rain 〜虹を待ちつづけて〜
「あれ。偶然だね。」


「だな。」


香坂くんが近づいてきた。


「天野の家って、あっちだろ?俺、あっちにあるスーパーまでお遣い頼まれたんだ。一緒に途中まで行かね?」


「うん。」


2人で同じ道を歩いた。


「今日は璃音と買い物に行ってたんだ。」


何か話さなきゃと思ってそんなことを話した。


「…侑の誕生日近いから…。」


「誕プレ?」


「うん。」


香坂くんは少し顔をしかめた。


「…まだ2人の応援してんの?」


「……応援なんか、してないよ…。」


「でも、未だに協力してんだろ?」


「…うん。」


だけどね。


心のどこかで2人の関係が壊れてしまえばいいのに、なんて考えてる自分がいる。


応援は全くしてない。


どうしたら侑が私を見てくれるかなって、考えてる。



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