after rain 〜虹を待ちつづけて〜
こうして連れてこられたのは体育館の裏。


途中から嫌な予感はしてたんだ。


ここに着いて確信した。


…ヤバイ。


そこにはすでに数人の女子がいた。


「天野さんって、最近香坂くんとよくいるよね?」


香坂くんの取り巻きか…。


「一緒に帰ってるみたいだし、昨日なんて2人きりでいたよね?」


さっきまで笑顔だったのに、その子は急に私を睨み付けた。


「ちょっとカワイイからって香坂くんに近づかないでよ!!」


---ドンッ


壁の方に押された。


私は思わず地べたについてしまった。


「あんた、いろんな男から告られて調子乗ってるでしょ!」


「ウザイんだよ!香坂くんに近づくな!!」


「みんなに媚び売ってんじゃねぇよ!!!」


お腹のあたりを蹴られた。


「……っ!」


何すんのよ!


って言いたいのに声が出なかった。


立ち上がろうとすると、2人の女子に抑えつけられた。


私は身動きができなくなった。
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