after rain 〜虹を待ちつづけて〜
それから少しして私はやっと落ち着いた。


「侑がたまたま通りかかったから助かったよ。ありがとう。」


「いや…。それより、痛いとこはねぇか?」


「ううん。大丈夫だよ。」


ホントは、蹴られたお腹がまだ痛むんだけどそう言った。


あんまり心配させたら悪いから…。


「そうか、よかった…。」


侑が助けてくれたから。


もう私は大丈夫。


「…あいつら、茂の取り巻きだよな…。」


「うん…。」


「茂のことが原因なのか?」


「…みたい…。」


でも私と香坂くんの間は何にもないのに…。


「とりあえず、このことは茂に言っとくから。」


「え?ダ、ダメだよ…。」


香坂くんは何も悪くないのに、気を遣わせたくない…。


「葵の気持ちもわかるけど、このままだとまたあいつらは葵に嫌がらせとかしてくるぞ?だったら茂に話してあいつらをどうにかしてもらっといた方がいいって。」


侑の言葉に私は頷くことしかできなかった。
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