after rain 〜虹を待ちつづけて〜
『なんだよ沢木!』


『邪魔すんなよ。』


この時の侑の目は今でも忘れられない。


『お前らに葵の何がわかんだよ!!調子に乗ってんのはどっちだ!!』


こんなに声を張り上げてる侑を見たのは初めてだった。


女子たちは侑の目と声におびえて教室を出て行った。


『…葵。』


侑は私に手を伸ばした。


その手を取って立ち上がった。


『保健室行くぞ。』


私は黙って侑の後ろをついていった。

< 186 / 377 >

この作品をシェア

pagetop