after rain 〜虹を待ちつづけて〜
プレゼント
少しして璃音が教室に入ってきた。


「おかえり。」


「ただいま。」


璃音の表情はいつも以上に穏やかだった。


「…侑に、渡せた?」


「うん。喜んでくれたよっ。」


だからか。


大体予想はできたけど…。


「……告白はしたの?」


「えぇ?!」


私の質問に璃音はかなり驚いた。


「だって、こういうのって告白のチャンスなんじゃないの?」


だから私は少し不安だった。


「…無理に決まってんじゃん…。」


璃音は席に着いてそう言った。


「まだ、告白とかしても…絶対フラれるもん。」


そんなことないよ。


そう言ってあげるのがいいんだろうけど、言わない。


「…まあ、頑張って。」


「うん。」
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