after rain 〜虹を待ちつづけて〜
「じゃあ、食べよ~っ。」


私は手をあわせてから「いただきます。」と言ってお好み焼きを一口サイズに切って口に運んだ。


「んん~!おいひぃ!!」


私を見ながら香坂くんが笑った。


「??」


「天野って、ホントに美味しそうに食べるんだな。」


「え~?みんなそんなものでしょ?美味しいもの食べてるんだから。」


「いや、天野はホントにすごいって。満面の笑顔だよ。」


…そうかなぁ~?


まあ、私はお母さんに似て食べることは好きだけどさ…。


「なんか、天野ってさ最初のイメージと違うんだよな。」


「最初はどんなイメージだったの?」


「もっとクールだと思ってた。」


「へえ~。」


私ってそんな風に見えるんだ。


「実際は食い意地張ってて、表情豊かなんだよな。」


「食い意地は張ってません!」


「どうだか。」と言いながら香坂くんは笑った。


私だって、香坂くんがこんなに笑う人だとは思ってなかった。




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