after rain 〜虹を待ちつづけて〜
夢だよ?


それに私はもう、侑なんて…。


そう思えば思うほど涙は止まらなくなった。


「…天野……。」


「気にしないで…。」


私は顔を見えないように俯かせた。


「だけど…。」


「いいからっ……。」


少し声を張ると…。


「よくねぇよ!」


いつもそんな声を張らない香坂くんが怒鳴るように言った。


私は一瞬体がビクッとなった。
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