after rain 〜虹を待ちつづけて〜
教室に入って自分の机から数学のプリントを取り出す。


「あった…。ごめんね、香坂くんにまで付き合わせて…。」


「いや。」


すぐに教室を出る。


「暗い校舎って、昼間とは全然雰囲気が違うよな。」


「だね。なんか、不気味……。」


いつものにぎやかな校舎とは全くの逆で、静まり返った校舎は暗くて、不気味で、寂しかった。


だけどそんなことはどうでもいいんだ。


…今のところ私の想像通りに事は進んでいる。


あとは私があのことを切り出すだけ……。
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